あぁ、愛しの執事様

『執事様』は、やはりそんな私の様子なんか気づくはずもなく。

「それでは、今日はこれで解散」

素っ気なく言い放った言葉と共に周りの人たちは席を立った。

私もプリントを提出しようとして立ち上がる。

しかし、不意に誰かに呼び止められてしまった。

「あのさぁ…」

それは、先ほど隣に座っていた男の人。

学年ごとに分かれたネクタイの色から2年生だとわかった。

一体何の用だろう?

首を少し傾げながら歩く足を止めて相手をみつめた。