あぁ、愛しの執事様

壇上の『執事様』は、そんな私の様子に気づく事なく淡々と業務を進めていった。

｢今から当番表を配布するので各々で目を通しておくように｣

そう、言いながら『執事様』は紙を配りだした。

手元に届いた紙には委員の仕事内容をザッと書いてあり、下に表がついていた。

｢当番は毎週ある、各学年一人ずつ割り当ててあるから来れない場合は事前に他のメンバーに報告すること｣

まるで教師みたいな口調で喋る『執事様』に誰も口答えはしない。

プリントに目を移し、私は自分の所を確認した。

みんな学年とクラス、名字が書かれている中、私の欄には｢1年5組｣の文字だけ。

きっと、いい加減な鈴木先生のせいだ。