あぁ、愛しの執事様

「でしょ?もう、王子最高だよ!」

はぁっと艶っぽいため息を吐く佐衣。

まさか本気なの?

いや、まさか…

よからぬ考えが頭を巡ってしまい私はそれを払いのけるように首を振った。

その様子を佐衣は不思議そうに見つめた。

「どうしたの?」

とてもじゃないが聞けない。

私は無理矢理話を切り替えた。

「なんでもないよ!でもなんで『王子様』と『執事』じゃなくて『王子』と『執事様』なの?」