悪魔なのは…

「やれやれ、いっつも思うんけどさ、この話信じさせんの、凄い大変じゃねー?」

「まぁ、しょうがないよ。すんなり信じられても怖いし」

「そりゃそうだ。頭大丈夫か、ってなるしな」


ケラケラとラグノが笑った。
けれど、達輝は笑えずに、反応に困った。

どうも二人の様子が、嘘や冗談を言っているように感じられない。
それこそ、本当のことを言っているかのような…。

だが、それこそ、頭大丈夫なのか、ということになってしまう。

達輝は、ただジッと話の続きを待った。


「そうだなー。先ず、ここの組織にはね、二つのグループがある」

「二つ、に別れてるんですか?」

「その通り。その最終目的は、似て非なるからね。それが、DCPと特殊班のことだよ」

「…つまり、俺は特殊班の方に分類されてる、ってことですね?」

「そういうこと。君たちは、犯罪者を罰したい、という目的がある。けれど、DCPは違う。俺たちはただ虚霊を滅したいだけなんだ」

「…きょ、れい?」

「虚霊っつーのは、人の憎しみとかを好む…あー、いわゆる、何だ?悪霊みたいなもん、と思ってくれればいいさ」

「悪霊…ですか…」


胡散臭い。


それが、達輝の率直な感想である。

きっと、一宮に連れて来られたのでなければ、今すぐ回れ右をして帰っていることだろう。

それぐらい、この話を信用することが出来ない、出来るはずがない。