「さて、教室入ろうぜ。
同じクラスだってよ。
オレ達」

ありゃ。
また響と同じクラスかぁ。
どこまでクサレ縁なんだ・・

「アンタと同じクラスかぁ。
疲れそうだなぁ・・」

アタシは声に出して言ってしまった。
ハッとして響の顔を覗き込む。

「いいじゃんよぉ。
オレら仲良しだし。
うふふん♪」

はぁ・・・・。

「花~~~!おはよ~~~」
「ゆずちゃん。おはよん。」
「同じクラスだよ。アタシ達。」

アタシの親友 大野ゆず。

もちろん同じ中学の出身だ。
アタシ達は手を取り合ってピョンピョン飛び回る。

「あら、響君も一緒?同じクラス?」
「そだよん。よろしくね。ゆずたん♪」

響がゆずちゃんの頭をポンポンする。

「相変わらずだねぇ。響君は。
そこらの女子にそんな事しちゃダメだよ。
気絶しちゃうから(笑)」

「なんで~?
いいじゃん」

そう言うとアタシとゆずちゃんの腕を取り歩き始めた。

無邪気というか何と言うか・・・

背も高いしいわゆるイケメンだけど
アタシはこんなカレシ嫌だなぁ。

オンナノコに優しいから
きっとヤキモチばっかり焼きそうだもん。

アタシは隣にいる響を見上げた。

「アンタ
またデカくなった?」

「んーー
180くらいかぁ?
知らね。
最近測ってねーし」

ワタシももう少し大きくなりたいなぁ。
なんて考えてる場合ではないのだ。

「そろそろ腕離してくんない?
みんなが見てるし」

「ん?
オレは全然気にならないけど?
じゃぁ、腕組むのやめて手繋ぐ?」

はぁ・・
天然か?
コイツは・・。

「響君がいる限り
花は彼氏が出来ないね(笑)」

やだっ!
絶対やだっ!

「花のカレって
オレじゃなかった?」

「違いますっ!!」

「響君はもう振られたでしょ(笑)」

そう。
アタシは中学の時に
このオトコを振ったのだ。

そんな事があった後も
響は今までと変わらずに接してくれた。

今でもふたりで出掛けたり、お互いの家にも行ったりしている。

響の事は好き。
でも なんか違う気がする。

アタシのココロは響を求めていない。

アタシはコイツに恋をする事は
きっとない。