瑠璃一味のお戯れな学園生活

「瑠璃…」

鬼龍が恐る恐る声をかける。

「ん…まだいたのか」

頬からポタポタと汗を滴らせながら、瑠璃が振り向いた。

「シンや霸龍闘にバーベキューを食い尽くされてしまうぞ。早く行くといい」

「っ……」

世の中はゴールデンウイークだ。

瑠璃一味や、他の天神生徒なんて、ずっと朝から浮かれ続けている。

何で瑠璃だけ、こんなしんどい思いをして稽古を続けなければならないのか。

そりゃあ彼は夕城家の長兄だ。

やがては翡翠の跡を継ぎ、宗主となるべき男だ。

だが、息抜きの一つも許されないほどに過酷な運命なのか?

もしそうだというのならば、その重荷を他の者が少しくらい肩代わりしてやっても…。