瑠璃一味のお戯れな学園生活

同刻。

「…………」

ゴミ置き場で収集した空き缶の片付けをしていた用務員の小岩井は、何かを感じ取って顔を上げた。

大気が震えている。

ビリビリと肌で直接感じ取れるような、空気の震動。

小岩井自身が、過去に何度か経験した事のある大気の変化だった。

それを察知したのは小岩井だけではない。

教頭室でお初が窓の外に目をやり、天神学園敷地内を取り囲むように存在する桜の結界がその大気の変化に反応する。

只事ではない変化。

長きに亘る天神の地の歴史を知る者達は、その事に気づいていた。