リィが口にしているのは拳銃の名前。

なのに面と向かって言われると、照れてしまうのは何故だろう?

リィもまた、そんな霸龍闘の反応を楽しんでいるかのようだった。

「好き…マテバ6ウニカ…」

「わかったってばっ、何回も言うなってぇ」

とうとうリィの顔を見ていられず、目を逸らしてしまう霸龍闘。

両手をポケットに突っ込んで逃げるように屋上を歩くが、リィはチョコチョコついて来る。

「マテバ6ウニカ」

「何だよっ、ついて来るなよっ」

「マテバ6ウニカ」

「リィ、どうしたんだよっ」

「マテバ6ウニカ」

「もうメンテナンス終わったんだから、シンやシルヴィのとこ行けよぉ」

恥ずかしがってそんな事を言う霸龍闘に。

「ううん」

リィは微笑みながらもう一度繰り返した。

「マテバ6ウニカ」