「フン」

鼻を鳴らす翡翠。

「どうせあの阿呆の中華の事だ、道場破りなどと言ってはいるが、本気ではあるまい。気になるのは、大方そこのえすえすびぃだろう」

隻眼が龍之介の方を見る。

龍娘は中途半端な仕上がりの弟子を道場破りに送り込むような性格ではない。

今回鬼龍を送り出したのは、本気で夕城道場の看板を奪う為ではなく、龍之介の成長具合を確認したいが為。

勝ち負けは二の次なのだろう。