瑠璃一味のお戯れな学園生活

論より証拠。

「はぁい、お待たせ」

席を外していたこはくが道場に戻ってきた。

彼女が手にしているのは砲丸投げの砲丸。

陸上部から借りてきたものらしい。

当然鉄製。

男子用の砲丸だから、7キロ以上もの重さがある。

それを。

「はいっ」

何の前触れもなく翡翠に投げつけるこはく。

翡翠はほぼ余所見状態。

不意を突いたのだから当然だ。

「父様危な…!」

めのうが言いかけるが。

「!?」

刹那、居合で瞬斬する翡翠。

ゴトン、と音を立てて落ちた砲丸は、滑らかなまでの断面を残して真っ二つになっていた。