こはくの無手技フルコースに、夕城三兄妹ドン引き。

「うわぁ…やるなぁ母上…」

「『手取り足取り』というか…『手折り足折り』だな…」

孔雀と瑠璃が口々に言う。

忘れてはいけない。

こはくは容姿端麗女神な奥方ながら、タイマントーナメントでは死神の因幡 舞白と互角に切り結んだほどの実力者なのだ。

剣だろうが素手だろうが、ちょっと喧嘩が強いだけの男子生徒に負ける筈がない。

「だらしないですよ龍之介さん、こんな程度でへばるなんて」

こはくは無理矢理に龍之介を起き上がらせ。

「シャキッとして下さい」

標的の顎へと打ち上げる肘打ち『ティー・ソーク・ラーン』、更に標的の頭部に向けて打ち下ろす肘打ち『ティー・ソーク・トロン』!

共にムエタイの技だ。