瑠璃一味のお戯れな学園生活

「ぐっ!」

蹴りを腹に食らって押し返されるシンの体を、リィが受け止める。

「『勇者の子息といってもそんなものか』」

片手で霸龍闘の体をぶら下げたまま、黒爪が言う。

「きったねぇぞてめぇっ!霸龍闘放しやがれ!」

激昂するシン。

確かに黒爪の下衆な行いには、リィも憤りを感じた。

だがその一方で、聡明な彼女は別の点にも着目する。

…先程の黒爪の言葉の直後、魔力の流れを感じた。

彼のつけているあの指輪に、強い魔力の発生…。

珍しい魔術品だ。

所有者に自己暗示をかける指輪?

いや、そんな生易しいものじゃない。

あれは、所有者の願望を現実に変えるもの…!