思えば瑠璃一味が全員で遠出するのはこれが初めての事。

否が応にも盛り上がる。

普段は喜怒哀楽をはっきりと表に出さない孔雀も、どこか嬉しそうだ。

「お前も歳相応だな、孔雀」

弟の横顔を見ながら呟く瑠璃。

「え…」

孔雀は目を丸くする。

「喜んでるの、わかる…?」

「ああ」

頷く瑠璃。

夕城の男子としていつも気を張り詰め、厳しい修行に明け暮れる瑠璃と孔雀。

しかしこんな時くらい、気を抜いて楽しんでも良いのではないか。