それからしばらくして。

「お嬢!」

「シルヴィ!」

咲花の父である十牙と同居人の子分ズ、そしてシンとリィ、更には誰に連絡を受けたのか、龍娘、霸龍闘、鬼龍までやって来た。

「うおぉおぉおおぉんっ!お゛じょお゛お゛ぉ!」

野太い声で号泣し、咲花の小さな体にしがみ付くガチムチ三つ子。

咲花重そう。

「みっともねぇから醜態晒してんな馬鹿ども!」

十牙が三つ子を蹴散らす。

「いでっ!」

「で、でも兄貴!お嬢が足に怪我を!」

三つ子達が騒ぐが。

「この程度の傷でどうこうなるような柔な鍛え方はしてねぇよ。それより」

十牙は咲花の頭をクシャクシャと撫でる。

「シルヴィを庇って戦ったんだってな、俺も鼻が高いぜ、咲花」

「…うん」

咲花は父の前で少女らしくはにかんだ。