瑠璃が二人を送ってやってもいいのだが、何せこの腕の傷だ。

深手ではないものの、万が一再び黒爪が襲撃してきた際、また二人を守り通せるとは限らない。

手段を選ばぬ職業兇手。

油断はしない方がよかろう。

「それじゃあ私、家に連絡します」

ポケットからスマホを取り出す咲花。

「橘邸の電話番号もわかるか?シンやリィにも連絡して、シルヴィを迎えに来させてくれ」

瑠璃が言う。

あの二人も一緒なら、心強いだろう。