「でよぉ」

虎次郎の口調が、少しへりくだった物に変わる。

「先月弾丸融通してもらったんだけど、霸龍闘の奴、もう使い果たしそうでよ…うん、下手糞なんだよコイツ、無駄撃ちばっかしやがって」

霸龍闘の頭をグリグリやりながら、虎次郎は苦笑する。

「そういう訳で悪ィんだけど、また送ってくれねぇか?357マグナム弾を…そうだな、600発ほど」

何とビックリ。

霸龍闘の使っている弾丸は、ロシアエージェントからの横流しでした。

流石非合法の天神学園教師である。

とはいえ、ちゃんと犯罪にならない(?)名目もある。

『早川 霸龍闘は優秀なガンマンであり、将来有能なエージェントとして活躍する事は明白。それ故に今からロシア当局が彼を訓練教育し、必要なスキル…特に射撃能力を身につけさせている。拳銃や弾薬の供与はその一環である』

それが、啓太がロシア当局に対して報告した弾丸横流しの理由。

実は霸龍闘の使っているマテバ6ウニカも、(ほぼ虎次郎の趣味で)霸龍闘の出産祝いとして啓太に要求したものなのだ。