瑠璃一味のお戯れな学園生活

交錯する咲花の蹴りと黒爪の指拳。

その指拳が、咲花の足首に絡みつくように手首を返し。

「痛っ!」

咲花のアキレス腱を抉った。

咄嗟に足を引くのが遅れれば、アキレス腱を断裂されていた所だろう。

黒爪の指拳は、まるで刃…いや、鎌のようであった。

足を負傷した咲花。

あの足ならば蹴りもまともには打てないし、逃げる事もかなうまい。

そう見るや、黒爪は即座に攻め込んでくる!

その両の拳は、まるで蝶を捕食する蟷螂の如し。

「成程、蟷螂拳(とうろうけん)か。噂に違わぬ実戦的な拳法だ」