「ったく…霸龍闘、今日は何発ぶっ放したんだ?」

「えーと…12発…あれ、24発…かな?」

顔を上げて、てへぺろ、と笑う霸龍闘。

「毎日毎日決闘してんじゃねぇよ、弾丸だって安くねぇんだぞ?」

そう言って虎次郎は、ポケットの中からスマホを取り出した。

「…あ、もしもし?啓太か?おぅ、元気元気。カミサンの方とはどうだ?仲良くやってるか?エージェントの任務も結構だけど、そろそろ子供作れよな。よく我慢できるなお前、あんなナイスバディのカミサンを前にして」

虎次郎が話しているのは、天神学園OBにして親戚の田中 啓太(たなか けいた)。

同じく天神OGで妻のアリスカ・タナカ(旧姓テフレチェンコ)とは、学生時代から清い交際を続けてきた。

アリスカはロシア大統領のエージェントであり、彼女に能力を見い出され、啓太も『番のエージェント』と呼ばれる凄腕に成長していた。