瑠璃と霸龍闘の間合いは、およそ2メートル。

こんな距離で拳銃の弾丸を撃たれれば、普通はまともに直撃する。

が。

「くぅっ!」

瑠璃は咄嗟に腰に帯びた鞘を引き上げ、弾丸の盾とした。

弾道さえ見切れれば、受け止める事は瑠璃にとって難しい事ではない。

「父上も見切りは得意だったからな」

とはいえ、流石に肝を冷やしたのか。

瑠璃は汗びっしょりだった。

「この距離でも当たらないのか…!」

歯噛みする霸龍闘。

事実、瑠璃と霸龍闘はこれまで何百回と決闘を繰り返しているが、瑠璃が被弾した事は一度もない。

せいぜい弾丸が掠めた程度だ。