「い、いいよシン…やめて…」

モジモジしながらシンを引き止めようとするリィ。

そのリィの手を振り払って、シンは吠える。

「俺は!どんな理由があろうとリィを泣かす奴は許せないっ!」

「……!」

その言葉に、霸龍闘は昼休みの事を思い出す。

何故だか涙を浮かべて屋上を降りていったリィ。

まだ乙女心の機微に疎い霸龍闘は、リィの涙の理由を理解していない。

が、していないなりに、何か心の片隅に引っ掛かるモヤモヤしたものを感じていたのも事実だ。