「いいか蛇、よく聞け」
臥龍…体は龍太郎だが…の胸倉を摑み、翡翠は言う。
「人間様は、憎悪がなくとも相まみえる。互いを認め合うからこそ雌雄を決する。貴様ら物の怪風情のように、恨み辛みで暴威を振るうような畜生紛いな真似ばかりはせぬのだ。所詮知恵の回らぬケダモノには理解できぬだろうがな、蛇」
「……」
臥龍の眼に、カッと焔が灯る。
怒りの炎。
蛇だの物の怪だのケダモノだのと愚弄されて、怒りを感じぬ筈はない。
しかし。
臥龍…体は龍太郎だが…の胸倉を摑み、翡翠は言う。
「人間様は、憎悪がなくとも相まみえる。互いを認め合うからこそ雌雄を決する。貴様ら物の怪風情のように、恨み辛みで暴威を振るうような畜生紛いな真似ばかりはせぬのだ。所詮知恵の回らぬケダモノには理解できぬだろうがな、蛇」
「……」
臥龍の眼に、カッと焔が灯る。
怒りの炎。
蛇だの物の怪だのケダモノだのと愚弄されて、怒りを感じぬ筈はない。
しかし。


