と。

「お前は眠っていなかったのか、翡翠」

別の一升瓶片手に、一人の男が歩み寄ってくる。

丹下 龍太郎。

学園を卒業し、世界中を放浪し、フラリと舞い戻ってきたこの風来坊は、小夜と学園長のはからいで天神学園警備員という職にありついている。

「しかし何だな」

翡翠の傍らにドッカと胡坐をかいて座る龍太郎。

「お前の子も龍娘の子も…才に恵まれているとはいえ、まだまだ子供だな。眠気には勝てんと見える」