吉野が思い出すのは、みんなで過ごした天神学園の体育祭の日々。

「乙やエンリィ、遊里やフェイレイ…みんな元気かなぁ…また会いたいなぁ」

「みんな花見してるだ、吉野も一緒に来るだ」

か細い吉野の手をクイと引っ張るシルヴィだが。

「ううん」

吉野はフワリとその手を解く。

「私、体弱いから、賑やかな所行ったら、体がビックリしちゃって皆に迷惑かけちゃうよ」

「そんな事ねぇっ、吉野も一緒に来るだ」

少し強引なほどに連れて行こうとするシルヴィ。

…その時、春風が吹いた。

舞う花吹雪。