瑠璃一味のお戯れな学園生活

んしょっ、とシルヴィを引っ張り起こしてから。

「私、佐倉 吉野(さくら よしの)だよぉ」

その少女、吉野はニパッと笑った。

かつて龍太郎一味達が在学していた頃のままの、あどけない顔立ち。

吉野の周りだけ、まるで時間が止まっているかのようだった。

が、シルヴィはそんな事知る由もない。

「吉野っていうだか、おれ、しるびー!よろすぐなっ!」

「しるびーっていうの?それに…あははっ、よろすぐだって、変なのぉ」

ケラケラ笑う吉野。

「変だか?」

初めて自分の訛りに気付くシルヴィ。

「変だよぉ」

「そか、変だか!あはははははっ!」