「難しい事、おれよくわかんね」

んー?と腕を組んで首を傾げるシルヴィ。

と。

「んん?」

シルヴィが耳を澄ます。

何だか、笑い声のようなものが聞こえた。

同時に、桜の木陰にサッと身を隠す影。

「誰だか?兄ちゃんか?姉ちゃんか?」

トテテテッ、と走り寄って木陰を見るものの、誰もいない。