「うぐっ!」

「あうっ!」

踵落としと穿弓腿、互いの蹴りは相討ちとなった。

アスファルトに倒れる咲花と鬼龍。

お互い、憎しみ合っている訳ではない。

恨みがある訳ではない。

ただ、強い者が近くにいる。

だから競い合いたい。

自分の力がどこまで通用するのか、試してみたい。

若くとも女でも、咲花もまた、鬼龍や霸龍闘と同じ『馬鹿者』。