と思いきや。

「そうですの…」

彼女はチラリとシルヴィを見る。

「そこの小さいのを部屋に送り届けたら、少しは大人しくなるかもしれないですの。『シルヴィはどこだ』『シルヴィはどこだ』って、あの腕白小僧と眠そうな娘の双子がしきりに騒いでいましたの」

「兄ちゃんと姉ちゃんがっ?」

目を丸くするシルヴィ。

「あうー、兄ちゃんと姉ちゃんに心配かけただ、ごめんなんしょ」

「ま…私は知った事じゃないですの、喧しいのが大人しくなればどうだっていい事ですの、さっさと付いて来るですの」

琴子はスタスタ歩き出す。