と、思考を巡らせていた霸龍闘の弁髪をクイッと引っ張って廊下の陰に引き込み。

「リ…んんんんっ?」

一瞬、一瞬だけ、柔らかい唇が触れた。

放心する霸龍闘を他所に、横を擦り抜けるように戻っていくリィ。

「月餅ちょうだいっ!」

「はい、どうぞ…」

いつもの無表情のリィだが、顔は全開で真っ赤に染まっていた。