瑠璃一味のお戯れな学園生活

「ぱぱ、まま」

すずが、タタタッと駆けて戻ってくる。

「おかしいっぱいもらってきたの」

両手いっぱいに、月餅、胡麻団子、桃饅頭、プチパンケーキ、マカロンなどのお菓子がある。

戦利品たっぷりだな、すず。

「いっぱいもらったねぇ」

すずを抱っこして、満面の笑みの七星。

こんな全開の笑顔は、生徒達の前でもあまり見せる事はない。

教師という職業柄、ニコニコ笑ってばかりもいられないから仕方がない。

が、すずの前では別だ。

「今日はよく笑いますね、ハイ」

鈴木さんの言葉に。

「可愛い『我が子』の前ですから」

今日、その存在を知ったばかりのすずを抱いて、すっかり母親気取り。

まぁ仕方ない。

否定のしようがないほどに、すずは七星と鈴木さんのいいとこ取りな、よく似た愛娘なのだから。