天使である。

白いお洋服に、モフモフの白い翼をつけた幼女が、ポテポテと天神学園の廊下を歩いていた。

年齢からすると、シルヴィと同じくらいだろうか(見た目)

瞳は鮮やかな碧眼、ロングの赤髪と尖った歯。

外国人かと思わせるような容姿だ。

まぁ着ているものはコスプレかもしれないが、髪の毛や瞳の色はウィッグやカラコンのようには見えない。

色んな人種種族が存在する天神学園だが、見かける事のない子供だった。

その幼女に。

「あれぇ?」

ヘルハウンドとドラゴンの仮装をした咲花とシルヴィが近づく。

あの歳だと初等部1年くらいだろうが、はて、転校生だろうか…。

「ねぇねぇ、ちょっといいかな?」

話しかける咲花。

振り向いた幼女は、年齢以上に幼い印象を与えた。

「お名前、言えるかな?どこのクラスの子?」

微笑みを浮かべて言う咲花に。

「しゅじゅなの」

幼女はニパーッと笑う。

「しゅじゅきしゅじゅなの」

早口言葉みたいだ。