脱衣室の扉を、僅かに開ける。

風呂場を覗くのが覗きと考えている輩が多い昨今、正しいのは『脱衣風景からの覗き』であると、龍之介は力説したい。

風呂場は湯煙とかで肝心な所が隠れてしまうが、脱衣所はそんな妨害も入らないんだぜ?

脱衣所こそが禁断の領域を拝める最強にして最高の出歯亀スポッ…。

と、そこまで考えていた龍之介の隣に、津軽りんごの段ボール箱を被った長身一人。

二人はYEAH!とかサムズアップしながら、いい笑顔で意気投合する。

「鈴木さん、今日は箱が違うじゃねぇか」(ひそひそ)

「隠密特殊作戦用段ボール箱なのです、ハイ」(ひそひそ)

津軽りんごは隠密行動に向いているらしい。