瑠璃一味のお戯れな学園生活

恐らくは天神学園一の大家族、夕城家。

その大トリとして登場するのは。

「む」

何事も『む』の一言で片づけてしまう漢、夕城流宗主の夕城 翡翠。

人呼んで『地獄の底から這い上がってきた閻魔』。

事実、かつて天神学園一の問題児と呼ばれた男、丹下 龍太郎を頻繁に斬殺(殺してはいません)したのが彼であり、この屋敷に半ば拉致同然に龍太郎を引き摺り込んだ事もある。

何の因果か、同じ姓を持つ龍之介も、翡翠の手でこの屋敷に居候させられる羽目になっている。

食卓につくなり。

「……」

部外者丸出しの久遠を邪眼で睨む翡翠。

「夕城先生、お邪魔してます!おはようございます!」

天然、そして爽やか。

翡翠の邪眼が通じていない。

というか、どういう意味で睨まれたのか、よく分かっていない。

久し振りの強敵の予感…。