毎日剣道の練習に溌剌と励み、快活な性格の久遠らしくない。

こんなに遅くなるなんて、一体何があったのだろう。

まさか、イジメに遭っているとか?

天神学園に、そういう陰湿なものはないと思っていたのに!

無理矢理にでも久遠の口から真相を聞き出さなければ。

前のめりになった奏多に対して。

「姉さん…」

久遠は顔を上げ。

「僕…剣術は夕城流じゃなくて琴月流を覚える事にするよ…」

夢見心地にうっとりと。

久遠は頬を染めて呟く。