瑠璃一味のお戯れな学園生活

ところが、である。

ある夜、奏多のもとに実家から電話が来た。

『久遠がまだ帰って来てないんだけど、奏多の所に寄ってる?』

…久遠ももう高校3年生。

時には友人同士で、寄り道をする事もあるだろう。

そりゃあ瑠璃一味の面々と違って久遠は真面目な方だから、そこまで羽目を外したりはしないだろうが、それにしても学校から一旦帰宅さえもせず、こんな時間まで…。

何かあったのだろうか。

もしかしたらしつこく夕城道場にお邪魔していたせいで、夕城先生の逆鱗に触れて、切り刻まれたのではないだろうか。

あの先生、腕は立つけれど粗暴で、対抗できるのは奥方先生と、中等部英語教師の神楽先生だけだという話だし…。