瑠璃一味のお戯れな学園生活

聞く所によると、事務局にいる事務員の女性は、夕城邸に下宿しているのだそうだ。

琴月 琴子というらしい。

そういえば、瑠璃一味のタイマントーナメント後の食事会にお邪魔した時、夕城邸に小柄な金髪女性がいたのを思い出した。

あれ程毎日のように、剣術剣術と言っていた久遠が、何故突然事務局に足を運ぶようになったのか。

おっとりした姉は、ピンとくる。

そうか、久遠は恋をしたのね。

剣道や剣術ばかりで、もう高校3年にもなるのに彼女の一人もできなかった久遠。

やっと剣道に見切りをつけて、恋人探しに本腰を入れる気になったのね。

それにしても年上の女性を好きになるなんて、久遠も目の付け所がいいわね。

年上の女性はいいと思うの。

私だって、孔雀君を包容力で虜にするつもりが彼の歳不相応な大人の魅力で逆にメロメロに…。

なんて事を話していたら。

「何言ってんだ馬鹿姉！そんなんじゃない！僕は狂奏丸の為に事務員さんの所に通ってんだ！」

久遠は血相変えて怒った。

馬鹿姉なんて、失礼しちゃう。