「奪われちゃったの…」

物盗りかっっっっっっっっ!

久遠、内心大激怒。

確かにボンヤリしている所もある姉とはいえ、彼女から一体何を奪ったっ?

お金?

貴重品の類?

ま、まさか、女性にとって一番大切な純潔なんて事は…!

ワナワナと震える久遠に。

「心…」

奏多は、うっとりと夢見心地で言う。

「心をね…奪われちゃったの…」