瑠璃一味のお戯れな学園生活

と。

「可笑的可笑(可笑しい可笑しい)」

くつくつと。

引き笑いが夜道に響いた。

立ち止まり、背後を見上げる琴子。

…電柱の天辺。

一人の男が腰掛けて足を組んでいた。

肩口までの黒髪、ノーネクタイのダークのスーツ姿。

月明かりを背にして、刃物で切り付けたような細い眼と口だけが、つり上がって見える。

「琴月の一部の人間とも懇意にしているが、琴月 琴子の名を出せば、皆震え上がるぞ?アレと対峙すれば、縫合できぬ深い刀傷を刻まれるとな…それが、これは一体どういった滑稽劇かね?」

タンッ、と。

電柱から飛び降りたにしては、軽い着地音。

その男…職業兇手にして吸血鬼の黒爪(ヘイツァオ)は、琴子と久遠の前に降り立った。