瑠璃一味のお戯れな学園生活

校門の所まで、二人肩を並べて歩く。

尤も、背の高さが違い過ぎて肩は並んでいないが。

「どうしてついて来るんですのっ?」

「えっ…だって校門から出ないと学校を出られませんし…」

「そ…それもそうですの…」

赤い顔をして唇を尖らせる琴子。

思えば、夕城家の面々以外の男と二人きりになるのは、これが初めてかもしれない。

琴月流剣客、琴月 琴子、まことに緊張仕る。

酷奏丸を抜けば、他流の手練れすら恐れ戦き、悲鳴を上げる間もなく刻まれるという琴月流きっての使い手だというのに。

このミニマムは、今この時に至るまで、殿方と二人きりで夜道を歩いた事など皆無だった。

(緊張しますのっ!きききききききき緊張しますのっ!)

緊張しすぎ。