もう天神学園も下校時間だし…などと。
裏の世界で暗躍する琴月流の剣士が言う事ではないが、生徒をいつまでも学園内に残らせたままにしていては、お初さん辺りから龍娘や翡翠が叱られ、お初さんに叱られて八つ当たりしたい翡翠が、善や琴子を叱る。
じゃあ琴子は誰に八つ当たりするかというと、結局居残っている生徒達に八つ当たりするしかないのだ。
「何時まで残ってるんですの!事務局は入り浸る場所じゃないんですの!」
そう言って琴子は帰り支度を始める。
嫌々やっているという事務員の仕事だが、琴子はなかなかに手際がいい。
元々頭の回転もいいのだろう。
複数の仕事を掛け持ちでやっても、夕方には全て終わらせてしまう。
仕事を溜め込んで腹出して爆睡している龍娘辺りに見習ってもらいたい。
「そういう訳で」
琴子は荷物を纏め、酷奏丸を手に立ち上がる。
「私は帰りますの。貴方もさっさと帰りなさいな。事務局の戸締まりが出来ませんの」
「はい、琴子さん」
「……」
妙に素直だ、久遠。
それに『琴子さん』という呼ばれ方も妙にこそばゆい。
めのうに初めて『琴子さん』と呼ばれた時とも、また違ったこそばゆさだ。
裏の世界で暗躍する琴月流の剣士が言う事ではないが、生徒をいつまでも学園内に残らせたままにしていては、お初さん辺りから龍娘や翡翠が叱られ、お初さんに叱られて八つ当たりしたい翡翠が、善や琴子を叱る。
じゃあ琴子は誰に八つ当たりするかというと、結局居残っている生徒達に八つ当たりするしかないのだ。
「何時まで残ってるんですの!事務局は入り浸る場所じゃないんですの!」
そう言って琴子は帰り支度を始める。
嫌々やっているという事務員の仕事だが、琴子はなかなかに手際がいい。
元々頭の回転もいいのだろう。
複数の仕事を掛け持ちでやっても、夕方には全て終わらせてしまう。
仕事を溜め込んで腹出して爆睡している龍娘辺りに見習ってもらいたい。
「そういう訳で」
琴子は荷物を纏め、酷奏丸を手に立ち上がる。
「私は帰りますの。貴方もさっさと帰りなさいな。事務局の戸締まりが出来ませんの」
「はい、琴子さん」
「……」
妙に素直だ、久遠。
それに『琴子さん』という呼ばれ方も妙にこそばゆい。
めのうに初めて『琴子さん』と呼ばれた時とも、また違ったこそばゆさだ。


