そんな中。

「……はぁ…」

鬼龍はイマイチ働かない。

テーブルに頬杖をつき、目で追うのは瑠璃の事ばかり。

お前に惚れたんだ、お前に惚れたんだ、お前に惚れたんだ、んだ、んだ、んだ…(エコー)。

何度も何度もあの食事会の時の瑠璃の言葉を反芻しては、何故か溜息。

そりゃあ嬉しい。

何度その台詞を夢見た事か。

そこらの恋に恋する乙女同様、頭の中で何度も瑠璃とのデートをシミュレーションしてみたり、告られた時にどんな表情を見せれば瑠璃に可愛く見えるかを、こっそり自室で練習した事もある。

が、それが現実となった今、何故か鬼龍に重く圧し掛かっていた。