「なっ、わっ、それっ、どこっ」

興奮して狼狽して動揺して。

一度に多くの言葉が口から出て来ようとして、戸口でつっかえて押し合いへし合い。

そんな状況の善。

「この瑠璃、感服致しました。流石善師匠、師匠の背中に漢を見ました」

「おとっ、いやっ、なぬっ」

「何れは決める時は決める方だと、ずっと信じておりました。いや、何とも目出度い」

「きめっ、めでっ、あのっ」

「つきましては細やかながら、めのうや孔雀、龍之介、そして瑠璃一味や天神学園の面々と共に、祝いの場を設けたいと思います。このような事は善師匠達には告げずに内密に準備を進めるのがよかったのかもしれませんが、あまりに嬉しい知らせゆえ、どうしても黙っていられず…いや、まだまだ俺も未熟者」

「いわっ、うれっ、いや、るりどっ…」

誰が未熟って、うろたえる善もまだまだ未熟だった。