瑠璃一味のお戯れな学園生活

瑠璃もまた、柊を構え直す。

両手で柄を握り、前傾姿勢。

「川蝉翡翠か…?」

立見席で、試合を見ていた龍太郎が呟くが。

「否」

翡翠がそれに答えた。

「構えこそ似ているが、あれは俺の親父の得意とした大技…」

川蝉翡翠の構えから繰り出されるのは刺突と決まっていたが、あの技は刺突とは限らない。

状況に応じて、両断するか貫くかの二択に派生する。

「放つのを待っていれば回避も防御も間に合わず、勘で動けば変化する刃に仕留められる。あの技に死角はない」