瑠璃一味のお戯れな学園生活

「命に関わる傷ならば試合になど出て来ん。掠り傷だからここにいるのだ」

説得力のない説明。

瑠璃はハァハァと息を荒げながらも立っている。

「シン、お前とて大なり小なり傷はあるだろう。それと一緒だ」

「……!」

ハッとするシン。

瑠璃はシンが出血で体力が消耗している事を気付いているのか。

いや、気付いていないとしても。

ここまで勝ち上がってきたのだ。

シンに限界が近いとしても、何ら不思議に思わないだろう。

お互いに、耐えながら戦っているのだ。

無理をおして戦っている。

何故などと愚問を投げかけるな。

目の前に、同じ苦しみに耐えながらも挑んでくる好敵手がいるから。

そんなボロボロの体でも、正々堂々と戦いを挑んてくる相手がいるから。

そんな相手ならば、真っ向から受けて立つ。

そこは侍だろうが勇者だろうが、変わらない。