瑠璃一味のお戯れな学園生活

「何だこの傷…血が止まらない…!」

胸の刀傷を押さえながら、シンが言う。

柊は鋭利な刃だ。

下手をすれば孔雀の狂奏丸よりも斬れるかもしれない。

そんな刀で、翡翠の紅葬送と同等の威力の技を繰り出した。

龍太郎や龍之介ならば、その技の激痛を思い出せるだろう。

身を以って体験した者達なのだから。

彼らは、まだ恵まれた体躯があったからこそ耐えられた。

しかしシンは、筋骨隆々とした体型ではない。

頑丈な鎧の代わりになるほどの筋肉は纏っていない。

結果、瑠璃の斬撃は深手となる。

「やべぇ…血が出過ぎる…」

ガクリと膝をつくシン。

ここまでの試合でのダメージもある。

回復に、時間がかかる。