授業を終え、教室を出ようとした小夜は。

「あ、そうだ、咲花ちゃん」

一人の女子生徒に声をかける。

紅月 咲花だ。

「教室の花瓶に綺麗なお花活けてくれたの、咲花ちゃん?」

「あ…はい」

小夜に声をかけられ、咲花はコクリと頷く。

「お母さんが、お花を教室に活けたらどう?って少し分けてくれたから」

「へぇ、お花っ子ちゃんがぁ」

懐かしそうに微笑む小夜。