瑠璃一味のお戯れな学園生活

出血は止まらない。

脇腹の傷から、とめどなく溢れる鮮血。

龍娘は今も尚、判断に苦しむ。

制止か、続行か。

判断を誤れば、夕城の次期宗主を喪う事になりかねない。

己の息子を不戦勝にして、夕城流の面々から卑怯者呼ばわりされる事など痛くも痒くもない。

汚名ならば喜んで被ろう。

だが、目の前の救える生徒を見殺しにしたとあっては、もう教師も武道家も続けられない。

そんな自分を一生許せなくなる。

「…悪く思うな、瑠璃っ…!」

歯噛みして、両手を掲げて交差しようとする龍娘。

試合終了の合図を出そうとして。

「老師」

霸龍闘は突然、ホルスターから抜いたマテバを場外へと投げ捨てた。