瑠璃一味のお戯れな学園生活

驚く。

ガンマンの口から、『近づいて来い』だと?

銃とは、距離を保ってこその武器ではないか。

自らその優位を捨てるというのか?

「……」

対峙する瑠璃と霸龍闘を見ながら。

「そうだ」

霸龍闘の父、早川 虎次郎は頷く。

瑠璃も、そして愛息の霸龍闘も。

今の今まで勘違いしていたのだ。

かつて、虎次郎は霸龍闘に教えた。

限られた弾丸、懐に入られれば絶対的不利…だから一発一発に命を懸ける事が出来る。

どうやって命中させるか、どれだけ早く撃てるか…速ぇの遅ぇの上手いの下手の、そんな益体もねぇ事に命を懸けるのが拳銃使いってもんなんだ、と。

距離を保つ事が拳銃使いの戦い方ではない。

抜き撃ちに心血を注ぎ、どんな距離だろうと相手をぶち抜いてやる。

それこそがガンマンの真骨頂なのだ。