瑠璃一味のお戯れな学園生活

試合開始時間。

準決勝のリングでは、既に瑠璃が待っていた。

一回戦で相当龍之介に殴られていた瑠璃。

霸龍闘といい勝負くらい絆創膏だらけだ。

「ひっでぇ面だな、瑠璃」

「その顔でお前が言うか、霸龍闘」

ムッツリ顔で言い返す瑠璃。

この男と相対するのは久し振りだ。

腹出し爆睡部、そして夕城道場が始動するまでは、毎日のように決闘していたのに。

半年?

それ以上?

そのくらい対峙していなかった印象を受ける。

…それだけ、瑠璃との決闘は『楽しかった』のだ。

霸龍闘が、瑠璃が、己の兄妹や身内以外で出会った初めての好敵手。

生まれて初めて出会った『強い奴』。

それが瑠璃であり、霸龍闘だった。