その瞬間、右の掌打を絡め取られた。

「え…」

何が起こったのかわからない。

目を丸くするリィ。

絡め取られた手は、強引に左右に抉じ開けられる。

がら空きになる胴。

その腹部に。

「はっきょくけん…」

鬼龍が小さく呟いた。

「八大招式っ、絶招通天炮っっっっっ!」

がら空きになった胴に対して縦拳の下突き(ボディブロー)を叩き込む!

吹き飛ばされる華奢な体。

リィの鳩尾に入った痛烈な一撃は、硬気功を纏った鈍器のような拳だった。

リィの弾丸に対して硬気功を使わなかったのも、全てこれに備えて。

消耗した気力を、この為に温存したのだ。

その威力、完璧超人に些かも劣らず。

ダウンしたリィは、目の前に立つ親友に、慕ってやまない女教師の姿を見た。