瑠璃一味のお戯れな学園生活

「くそっ…!」

まだ浅い。

これ以上振り抜かなければ、刃が深く達する事はない。

なのに。

「く…狂奏丸…!」

刀が重い。

持ち上げられないような重さを感じる。

折角皮膚を食い破り、肉に食い込んだのだ。

もっと血を吸わせろ。

そう言わんばかりの狂奏丸。

このままシンを両断するつもりか。

早く、早く刃を退かなければ!

焦る孔雀の目の前で。

「こぉら、狂奏丸」

身に刃を食い込ませたまま、何とシンは狂奏丸の刀身を素手で握り締めた。

当然、手から滴る血。

それを意にも介さず。

「お前、孔雀の言う事ちゃんと聞け。お前みたいな問題児、見捨てず使ってくれてんだぞ?跳ねっ返りも程々にしとけ」

シンは狂奏丸に言い聞かせる。